当コラムを書いている20日の前場、NY原油は時間外で28ドルを割り込み、2003年9月以来の安値水準まで下落してきました。原油はまだまだ下げ止まりが見えず、世界経済の不透明感も増すばかりの地合いです。レベル感ではそろそろ自律反発を期待されてくるところですが、資源国通貨を筆頭にさえない展開が続いています。
そして、昨年は「2016年前半に利上げ」と発言していたカーニーBOE総裁が、昨日「今はまだ利上げの時期ではない」と講演の中で発言したことが取り沙汰され、今年6月にEU離脱の国民投票を実施する可能性が一段と強まっていることと合わせて、ポンドに買い材料が全くありません。一部の委員の中からは、利下げを言及する発言も出てきており、世界的なリスクオフの動きと合わせてネガティブインパクトに素直に反応して底が抜けたように下げが止まりません。対円では166円まで値下がりし、目先の高値である昨年11月の188円からたった2ヵ月で12%の値下がりになっています。月足チャートを見ると、12ヵ月線、24ヵ月線を今月完全に下に割り込み、長い陰線になっており、アベノミクスの円安相場が始まった2012年末以来です。
ポンド安で現在、直近安値である2011年の116円から、昨年の高値195円までの38・2%戻りを達成しました。半値戻りが156円ですが、ローソク足で見ると160円に節目がありますので、155-160円あたりが、次の下値の目安になるかもしれません。
ただ、テクニカルが機能しない下げが続いていますから、ポンドは引き続き戻り売り方針で見ています。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。