臨時コラム

中国の株価が非常に大きな値下がりを見せている。上海総合株価指数は5月29日の高値2334ポイントから、6月25日の安値1849ポイントまで短期間で約21%下落した。このところの日本の株価の大きな値幅調整と同じ形になっている。6月25日は大きく突っ込んだ後、V字型の強烈な切り返しとなり日足チャートは長い下ひげを引いたので、ひとまず下げ止まった気配を見せている。

25日の夜、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は複数の金融機関に対して、緊急に流動性資金を供給したことを発表した。マーケットでは中国の金融当局が何も手を出さずに放置するのではないかという不安感が広がっていたので、この資金供給でホッと一息ついた形になる。根底には中国が抱えている闇資金などの根深い問題があるので、そう簡単にすぐ問題が解決できるとは思われないが、同時に今回の資金供給のように最悪の状態になるまで手を打たないということも考えにくい。

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今月はペプチドリームに続き、iPS関連の本命と見られているリプロセルが26日にジャスダックに上場する。公開価格は3200円で決まったが、かなり大量の新規公開株申し込みが殺到した模様だ。

リプロセルはiPS細胞の餌にあたる培養液を販売しており、各企業や大学に供給して収益源となっている。京都大学の山中教授にももちろん提供している。国内シェアトップであり、培養液はほぼ毎日交換しなければならないということで、上場企業としてはiPS関連の最有力とみられている。

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6月はバイオ株で注目IPOが相次ぐ。まず、6月11日に東証マザーズにペプチドリーム(4587)が新規上場される。この会社は今期以降継続的に黒字が見込まれており、内外の大手製薬会社と共同事業を展開している点も安心感につながると見られる。このため、マーケットでは公開価格を2〜3倍上回る極めて高い初値がつくのではないかという観測が流れている。

続いて6月26日にジャスダックにリプロセル(4978)が新規上場される。この会社は京都大学のiPS細胞の特許管理会社であるiPSアカデミアジャパンからライセンスを得て、各製薬会社にiPS細胞を販売する元締めの窓口企業だ。売上の87%がiPS細胞で占められており、まさに昨年10月のノーベル賞受賞以降期待されていた、iPS細胞に直接投資できるバイオ企業がいよいよ登場することになる。

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昨年1月に大きく報道されて、橋梁株の買い人気に火をつけた首都高速道路の大規模改修問題が一年経っていよいよ具体化してきた。

首都高速道路会社の有識者委員会は1月15日に大規模改修の具体的なプランを発表した。それによると約47キロメートルの区間で、道路を全て壊しての作り直しや大規模な改修が必要だとしており、これだけで総工費は最大で9100億円かかると試算された。

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昨年10月に京都大学の山中教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞したところからバイオ関連株に火がついた。

その中心となったタカラバイオ(4974)は10月5日の安値415円から10月17日に1010円まで急上昇して、第一段階が終了していた。

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早見は毎年大発会での一番人気銘柄を翌日の寄り付きで自動的、機械的に買う投資作戦を行っていただいている。これは大発会当日、終値が値上がりで終わった銘柄の中で、売買代金が最も多かったものを一番人気銘柄としており、その年の相場全体や経済動向などを占う意味で重視している。

今年2012年の大発会ではトヨタ自動車(7203)が一番人気銘柄となった。株価は1月4日の終値2644円から4月2日には3640円まで37・7%値上がりした。その後調整に入ったが、11月から再び大きく上昇しており、12月21日には3965円まで付けて今年の最高値となった。一昨年1月以来の4000円台回復も近付いている。年明けには4000円台が実現されるだろう。

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総選挙の投票を12月16日に控えて自民党の国土強靭化計画への期待感が高まって来ている。総額100〜200兆円規模で災害に強い国土作りを進めていくというのが狙いだ。

そこへ2日午前に中央自動車道笹子トンネルの大惨事が発生し、老朽化している全国のトンネルや橋梁などインフラの改修、補修がクローズアップされてきた。もちろん自民党の政策の中にもそれが含まれており、株式市場でも本格的に評価されていくと思われる。

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11月30日更新のコラム「相場観」でも指摘したように、東京株式市場の実勢を示すTOPIXが週足で7月の戻り高値を抜き、大きなボックス相場を完全に上に放れた。これで6月でついに大底を打ったと判断される。

大きな捉え方をすれば2009年3月の698ポイント台と、今年6月の692ポイント台がそれぞれ大きな安値となったわけで、TOPIXの690ポイント台は強力な大底ラインと言える。

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早見はかつての金と同じように、次は米ドルが歴史的底値買いの場面に来ているとの判断で、2010年夏以降米ドルMMFの積み立て買いをコツコツと行うように提唱してきた。

仮に毎月末一定額米ドルMMFを積み立て買いしていたとすれば、2010年夏以降直近2012年10月末までの平均買いコストは79円80銭台となっている。

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山中教授のiPS細胞でのノーベル賞受賞をきっかけに、日本国内ではiPS細胞を始めとする再生医療の将来性に注目度が高まってきている。この分野で世界のトップを駆け抜けていくには課題も山積みになっており、民間の努力だけでは限界がある。

そこで民主・自民・公明の3党は再生医療法案の議員立法による成立を目指して超党派で検討を進めている。この法律を整備することにより迅速、安全に研究開発を進め、実用化を早めるための後押しをしていくことになる。

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