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横尾寧子のFXのはじめかた

先週末に発表された雇用統計は、失望を招く数字ではなかったものの、ドル上昇の形を作れなかったことが嫌気されてドル安地合いが続いています。ゴールデンウィークは円高というセオリーが今年も形成されました。

ドルは円高基調が目立ちますが、その中で強かったのがNZドルです。対円では3月末に直近高値を付けた後、値を切り下げていましたが、5月に入って日足のMACDがゴールデンクロスし、断続的な利上げへの信頼と、キー首相によるNZ経済上昇の成長期待コメントを背景に4月末から6日連騰で89円台までじりじりと円安が加速、対ドルでも2011年8月の高値までNZドル高が進みました。

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29日に発表されたドイツの4月CPI速報値は、前年比で+1・3%となり、前回の+1・0%は上回ったものの、予想の+1・4%を届かなかったことを嫌気し、ユーロは一時急落とネガティブに反応しました。欧圏の4月CPIは、本日(30日)18時に発表を控えており、ドイツに続くネガティブな数字が懸念されます。来週8日のECB会合を前に今夜の指標が大きな注目材料です。市場予想は前年比+0・8%、前回は+0・5%でした。

先週24日にドラギ総裁は「インフレ見通し悪化で資産購入が必要になる可能性」があることをコメントしましたが、実際にその懸念がインフレ数値として色濃くなってきました。ここ直近はユーロ売りの動きに注意です。

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このところの地政学的リスクによるリスクオフの流れの中でも、ビクともせずに高値水準で張り付いていた豪ドルですが、23日に発表された14年第1四半期CPIが予想を下回ったことで、一旦これまでの上昇を吐き出す売りになりました。前期比は+0・6%(予想+0・8%)、前年比は+2・9%(同+3・2%)と、利上げににわかな期待感も伴って買いを誘っていた豪ドル高に冷や水を浴びせる結果となりました。RBAが指標とする基調インフレ率も+2・65%(予想+2・9%)と予想を大きく下回っています。CPI発表直前には96円20銭まで上昇していたものの、一気に95円60銭台まで60pips急落しており、事前思惑の強さが伺えます。

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16日早朝に発表されたNZの2014年第1QCPIが、前期比+0・3%(予想+0・5%)、前年比+1・5%(同+1・7%)といずれも予想を下回る数値になったことで、連続利上げの思惑が急低下しています。NZドルは対円で88円台から40pipsほど急落し、オセアニア通貨はともに鈍い動きとなっています。

ただ、NZは3月13日に3年8ヵ月ぶりに利上げに転じましたが、その前に発表された1月21日の2013年第4QCPIは、前期比+0・1%、前年比+1・6%とそこまで気になるインフレ率の高さが出ていたわけではありません。今回は前回の数字を着実に上回った結果になっているわけですから、これだけで追加利上げが無いと判断するかは微妙なところです。

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4月7-8日に開催された今月1回目の日銀金融政策決定会合では、黒田総裁の会見がリアルタイム配信されるなど、これまでになかった新たな試みがありましたが、内容としては現在の体制にすごく強気。「現時点で追加緩和が必要だと考えていない」という一言に海外勢は大きく反応して、ドル円は101円台まで円高が急伸しました。たった数日でドル円の景色も随分と変わったものです。ここまで断言されると、30日に行われる月内2回目の会合での緩和期待も剥落し、株安・円高という流れの継続が懸念です。

海外勢に良いように扱われる市場であり続けるのもどうかと思いますが、先手を打てずに後手で市場コンセンサスを打ち消していたら、一段と追い込まれてしまう気がしますが・・・。ちょっと嫌なムードです。

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前回「豪ドル円上値トライか」というコラムを書きましたが、その後堅調に豪ドルは直近の高値を抜き、ファンダメンタルズの面からも流れの変化が伺えるようになってきました。詳細は今週2日(水)発行の会員向けレポート内コラム『為替ばんざい』で取り上げています。

さて、豪ドルの弱さが顕著に表れていたAUD/NZDのチャートの雰囲気が変わってきました。直近で1・49と1・05でつけた下値で底値を固め、出直りの雰囲気です。一目均衡表では昨年10月以来の雲上抜けをうかがう動きで、この後雲の水準はさらに下がりますし、遅行線もローソク足を下からブレイクしやすい形になってきました。昨年10月は、その後再び押し戻されて一過性の上昇で終わってしまいましたが、その時と現在とは豪ドルを取り巻く地合いが著しく改善されています。

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豪ドル円の日足チャートが、下値を固めて上昇をうかがわせる形になってきています。現在93円台後半でしっかりしていますが、テクニカル面で見ると先週、昨年6月以来9ヵ月ぶりに200日線を上抜けに転じ、今週は右上がりの21日線が横ばいになった90日線を上抜けし、55日線も横ばいになり、200日線も右上がりに切り返してきました。日足の移動平均線から見る上昇シグナルが出揃いの形です。

対ドルでは、一頃RBA要人からの為替目標値言及(0・85)がありましたが、現在は0・915まで切り替えしてきました。昨年4月に1・058の高値を付けてから200日線を割り込んで以来、約11ヵ月ぶりに上抜けです。

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イエレン新議長によるFOMCの公表を日本時間の20日早朝に控え、ドル円は様子見を見つつ、下値を買う動きが強いでしょうか。米国経済への安心感が、下値は拾っていく雰囲気を作っています。

またクリミア情勢を受けた米欧の控えめな制裁発動に対し、ロシアが対抗政策を発するとコメントし、米欧の追加制裁という動向もありますから、方向感は全く出てきません。無理してトレードするような地合いではありません。私もかなりポジションを減らしてディに終始です。

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来週3月18日、19日には、イエレンFRB総裁体制で初めてのFOMCが開催されます。またFOMC終了後には、総裁会見も予定されていますので、決定内容以上に総裁会見に注目です。

FOMCでは緩和縮小が決定して2回連続、100億ドルベースでの縮小を決定してきました。直近ではハト派と言われるエバンス・シカゴ連銀総裁も(今年は投票権無し)縮小ペースを崩さない旨を言及しているため、これは最低路線であり、今後の焦点はフォワードガイダンスの修正です。

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2月末から浮上したウクライナ問題が、ひとまず鎮静の見通しになり、ユーロの負担が一つ軽減されました。今週木曜日(6日)にECBを控えて、トレンドは出てきていませんが、ECBが無事に通過すれば、リスクオンの流れでユーロも買われやすくなりそうですね。

対円で見ると、昨年末の高値から2月4日の安値の50%戻しが140円95銭、61・8%戻しが142円07銭となっており、目先の一つの目標値として見ています。21日線も上向いてきましたので、これがサポートになって来るかどうか、今週が見極めどころですね。

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