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横尾寧子のFXのはじめかた

株高円安基調が一転、米国主導で複数国がイスラム国を標的にシリア領内で空爆を実施したことで、地政学的リスク懸念からリスクオフの流れになっています。特にこのところ動きが目立った米株やドル高が一服になっていますが、空爆も開始したことで、ますますイスラム国問題が深刻化するという懸念も強く、手放しで押し目買いをしにくい状況です。

そして何より、この9月末に米株に楔を打たれるのが、季節的にも嫌なタイミングです。

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ドル高、ECBの追加緩和観測、英の独立問題など、欧米通貨中心の相場地合いが続きますが、ちょっとオセアニアに注目を。

中国が13日に発表した8月の鉱工業生産は予想+8・8%に対し、+6・9%で、2008年12月以来の低水準を記録しましたが、足元の雇用や物価の安定がサポートして中国市況にはさほどの不安感はありませんが、オセアニア通貨は敏感に反応して材料になってきますから、自国経済指標以上に目先は中国指標や中国株動向をにらむ動きに警戒です。

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先週105円台乗せになったドルの強さが止まりません。今週は107円38銭まで続伸となってきており、ドル独歩高で株価との相関は崩れています。

来週はFOMCを控えており、ドル独自の経済の強さに対する期待に加え、欧圏の追加緩和懸念、英のスコットランド独立問題などが重なり、一段とドルが買われやすい地合いが揃っています。

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ドル円がついに105円台に乗せてきました。9月2日の高値が105円27銭、年始1月2日の105円44銭は射程圏内で、次に目指すは2008年8月に付けた110円66銭の水準になってきます。

先月、日経平均が2013年12月以来の9連騰という力強さを見せました。9連騰はその前に2009年7月にもありましたが、その09年、13年の2回共に、円相場は株価の上昇に連れて円安基調になってき、9連騰後が終わると上昇分が目先高値となって、その後は再び円高へとブレていきました。

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前回のコラムでは、目先ポンドを買いづらいと書いて、リリースした日にポンドが急騰するという憂き目にあいまして、失礼いたしました・・・。BOE議事録で、利上げに2名の賛成者がいたことが報じられ、早期利上げ期待を背景にポンドが急伸する動きとなりました。ポンド円は200日線をタッチして跳ね返し、MACDもゴールデンクロスするなど、テクニカルの形も一旦改善されています。

ただ、これは対円での話で、ポンドドルで見ていただくと、ポンド売りは依然として続いています。7月15日の1・7187を直近高値に、8月25日には1・6534まで約4%の右下がりになっております。

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日本の個人投資家動向を見ていると、この動きの鈍い夏場もポンド、NZドルが対円で買われています。利上げ期待通貨と継続中通貨で買い人気は高いので、下げたところで長期のロングも入りやすいのですが、特に英ポンドは目先の動きに注意したい。

このところ気になる1つがBOEとカーニー総裁の発言のブレ。13日のBOEインフレ報告では利上げに対して「緩やかになるだろう」とハト派な見方が利上げ期待を後退させ、18日に報じられたカーニー総裁のインタビュー記事内のコメントに「実質賃金が上向くまで利上げを待つ必要はない」とあり、インフレ報告の内容を打ち消すような印象に。この発言を手掛かり材料に、英10年債は年初来の大幅な下落になりました。

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いよいよお盆本番で、東京市場は酷いボラになっています。欧米時間も市場参加者が少なく手掛けにくい地合いですから、無理せず来週以降からの動意に注意しておきましょう。

今週、ちょっと短期で気になるとしたら、カナダドルです。先週8日に発表された7月の雇用統計は、雇用+2万人予想に対し、結果+200人と大幅に下回ったためカナダドル売りの動きになりました。この雇用統計の数字に対し、カナダ統計局は数値に誤りがあったと発表しました。修正値は今週末15日に公表されます。市場の予想は、上方修正されるのでは?という見通しですから、修正値の発表に向けて、少しカナダドルに思惑買いが入るかもしれませんね。

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先月まで非常に強かったNZドルの下落が目立っています。利上げ休止観測が高いのはもちろんのこと、NZ最大企業であるフォンテラが入札のたびに発表する乳製品価格指数が、昨日5日の入札で880まで低下し、2012年8月以来の低水準に落ち込んだことが嫌気されています。
※ピークは昨年4月の1573。

加えてロシアのプーチン大統領が追加制裁に対して報復措置を用意していると述べたことで、リスクオフの流れも強まっていますから、先週の「為替ばんざい(※会員向けレポート内コラム)」で述べているように、8月は円高NZドル安地合いが続く可能性が高いと思われます。

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7月29日のロンドン時間早朝に、ドル円が7月7日以来の102円示現となりました。日足のチャートは8日連続陽線と、小幅ながらじりじりと値を切り上げてきた形です。直近で円ドル取引が19年ぶりの低水準、値動きは1975年以来、39年ぶりの低水準と、こう着感が記録的な水準になっていることが次々と報道されていました。

しかしチャートを見ると、6月4日の102円79銭から高値を結んだ右下がりのボックスを、今回上に放れてきました。200日線もかろうじてタッチしてきており、目先のテクニカルに変化が出てきたことは注目ポイントです。

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ウクライナ問題が落ち着いたかと思ったら、けん引役のドイツ経済に黄色信号の指標結果、そしてマレーシア機の墜落と、今年上半期は、欧圏に再びリスクが押し寄せており、ユーロはここまでの上昇を吐き出す動きになっています。

ユーロ円を見ると、昨年末に145円69銭までありましたが、2月4日に136円22銭まで急落し、切り返す動きになっていましたが、再び2月4日の安値に顔合わせするまで値を消してきています。この前回安値を割り込むと、135円割れも見えてきますが、ユーロドルの動きも5月8日の高値からキレイな右下がりで現在まで約4%下落してきていますので、ドルストレートの動きからも、ユーロが下げ止まる様子がうかがえません。

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