横尾寧子のFXのはじめかた

 ドル円相場が90年以来の高値を更新するドル高地合いが続いています。連日分足のチャートを見ていると目に付きますが、ところどころ「介入らしき」動きはありますが、すかさず買い戻されて値を切り上げる展開です。9月22日にドル円相場が145円に乗せた直後のドル売り介入は24年ぶりで、2兆8382億円というドル売り1日の介入額としては過去最大規模の金額でした。その後2週間近くはこの水準で留めていたので、一定の効果はあったと言えるかもしれませんが、その後は再びじわじわとドル高が続き、ついに10月19日、ついに150円台乗せとなりました。

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 ドル円相場が先般の円買い介入時の水準を超えて、147円目前まで上昇してきています。こうなると、1998年8月につけた直近最高値147.64がもう射程圏内でしたが、10月13日の米9月CPI発表後にこの直近最高値を更新し、ドル円相場は90年以来の円安水準になりました。下のチャートは長期の月足チャートです。見辛いですが、現在の形だけでも見ていただければお分かりの通り、歴史的にも相当な水準までドル高が進んだことが分かります。これは単純なドル円相場のチャートですが、実質実効為替レートはすでにプラザ合意の85年の水準に並んでいます。米財務長官も米国債の流動性について言及するなど、少し潮目の変化を感じます。

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 先週末にクレディスイスの先行き不安懸念が一気にマーケットに駆け巡りリスクオフの流れが強まっていましたが、週初に英政府が減税を撤回して一旦落ち着きを取り戻しました。この英波乱の要因を作ったトラス政権が発足したのが9月6日、その直後にエリザベス女王が崩御され、国葬後は新政権による減税策への言及が強まり、たった1カ月で英国の雰囲気が崩れるように大きく変化しました。この間英ポンドの騰落率は対円で-10.3%、対ドルで-11.2%と荒い値動きになり、特にポンドドルは1985年の史上最安値を割り込み、歴史的な安値を更新しました。

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 9月22日の夕方、相場の変化を見たのは17時を回ったころです。急激な円高で値が飛び出し、2011年の介入を思い出す(当時はドル買い円売り)値動きでした。レートチェックの比ではない。リアルタイムでドル円相場を見ていた多くの方が実感されたと思いますが、24年振りの円買い介入が実施されたのは既報の通りです。145円が防衛ラインと確認された動きになりました。介入資金は3.5兆円規模ではないかという見通しになっていますが、一先ずその効果としては一段の円安を防衛する抑止力として現在までは効果がみられていると言えそうです。

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 9月22日の日本時間午前3時にFOMCが75bpの利上げを決定し、政策金利を2008年以来の3.00~3.25%にすることを全会一致で決定しました。利上げは3会合連続です。また年末には政策金利中央値4.4%を見込むことから、今年年末までに後2回行われるFOMCでも、各75bpずつ、計1.5%引き上げることを示唆する内容になりました。政策金利との連動性が高い米2年債利回りは、FOMCの発表直前に2008年以来の4%台を突破、一時は2007年10月以来の4.1%台に乗せる場面もありました。

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 13日の米8月CPIが事前予想の+8.1%を上回る+8.3%となり「まだまだFedの利上げは続く」という市場マインドが強まったことから、米株は急落し、米ドルは14日朝方にかけて再び144.90迄上昇しました。その14日の日中にまず駆け回った報道が「日銀のレートチェック」、そして夕方にかけては日本の政策当局者からの相次ぐ円安けん制発言がありました。

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 ドル円相場は先般行われたジャクソンホール会合のパウエル議長発言以降、再び円安が加速し、144.99迄上昇。連日1998年以来の高値を更新し続けてきています。FEDウォッチャーの見通しでは、今月のFOMCでも再び75bpの大幅利上げが織り込まれており、未だドル円相場の衰えが見えません。6日に50bpの利上げを決定した豪ドルは対円で97.5円まで上伸し、2015年1月以来の高値。昨日75bpの利上げを決定したカナダドルは110.14迄値を伸ばして2014年の高値を抜いて2008年1月以来の高値水準です。週初に史上3人目の女性首相が決定した英ポンドは、他通貨に対しては軒並み安になったものの、やはり量的緩和継続中の対円では続伸するなど、軒並み円独歩安が続いています。日本サイドからの形だけの口先介入が続きますが、日本側の発言は全く意に介さない動きが続いてますので、この水準まで来ると1998年8月につけた147円も射程圏内です。

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 すでにご周知のとおり、先週末のジャクソンホール会合でパウエル議長が早期の利下げ懸念を払しょくし、高インフレを抑えるための強力な利上げを続けることを示唆したことで、株価は急落し、米金利は上昇。ドル円相場は9月1日に7月14日の139.39の年初来高値を抜いて、139.58迄上昇し高値更新しました。次は9月13日に8月のCPIが公表されますので、ここでインフレが高止まりとなるか、さらに一段と進むのか等々、FOMCに向けての思惑が出てきそうです。

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 今週はジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演・発言を警戒して、株式市場は軟調な地合いが続いており、連動してドルも鈍い動きになっています。かつては特段注視されなかったジャクソンホール会合ですが、2010年に当時のバーナンキ議長が「QE2」を示唆し、実際に9月のFOMCで決定したことで一気に注目が集まる会合になりました。16年には当時のイエレン議長が「利上げ時期は近い」と発言し、その年の12月に25bpの利上げを決定するなど、近年では金融当局者が大きな金融政策の変化を示唆し、マーケットと対話する一つの大きなイベントになっていました。

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 先週発表されたアメリカの7月インフレ率は予想+8.7%に対し、結果+8.5%とやや落ち着いた結果になりました。とはいえ、未だこれでインフレが落ち着いてくるという判断になっているわけでもなく、市場に新たなコンセンサスが産まれているわけでもありません。ただ、CPI発表後に米10年債利回りが2.666%まで急低下しドル売りも強まったものの、すぐに切り返して現在も2.9%台で推移しています。

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